雪の上州武尊山に再訪 手小屋沢避難小屋付近で幕営 二日目 2012/1/2-3

正月早々誰も入山しない山中でテント泊とは我ながら酔狂だと思うわけですが、それに付き合ってくれるかみさんにも感謝ではあります。二人とも北海道出身なので「雪」に対する抵抗感が少ないのかも知れず、特に私は道東の田舎出身で酷いときは氷点下30度の地吹雪の中、3kmの田舎道を保育園の頃から歩いていたので、まあ多少の吹雪などどこ吹く風でもあるのですが^^) それはともかく、強風の吹き荒れる夜を、クマに襲われることも無く無事に凌ぎきって朝を迎えたところで外を覗いて見ると、昨日あれだけ苦労してつけた尾根上のトレースが見事に消えている。しかも雪増えてるし。風はやや収まって雪はチラチラ程度。これなら山頂へ行けるかと気を良くしたのですが。。
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で、ここでトラブル発生。この日使用していたモンベルのULコンフォートマットが、朝お湯を沸かしているときに、ボンっと言う音と共に表面素材がウレタンから剥離。エアは漏れないものの、マットのクッションが利かなくなってしまうという事態に。エアを吹き込んでもバリバリっと剥離が拡大するだけ。3年半ほど使用してきた一品だが、予期せぬアクシデント。ただ座っていただけなのに。。
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朝であったことが不幸中の幸いなれど、これでは厳冬期の雪中二泊目は無理。何としても今日中に下山しなくては。しかも前日のトレースは消え去っていて、雪も小降りながら降り続いている。と言うことで前進に使える時間は僅かになってしまった。手小屋沢避難小屋分岐から先は急な斜面を一登りすれば、左に折れてなだらかな尾根が続く。武尊山の山頂くらいは見えないかと斜面を登り始めたが、トラブル発生後のこういう未練たらしい行動は危険であると思い直しテントに戻って撤収開始。
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10:00 / 1650m 須原尾根上のトレースは80%は消えており、残りも痕跡が確認できるレベル。またラッセルの仕切り直し。。しかも下降点までは小さいアップダウンを繰り返す平行移動なので尚悪い。
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最初の急斜面は10mほど、雪壁を膝で崩し、スノーシューを蹴り込んで足場を作りつつ攀じ登るが、スタンスはもろく苦労多。
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登りきった所で、雲が多少薄れ、武尊山への尾根と本体が僅かながら姿を現してくれた。健気な努力を山が哀れんでくれたのか、ちょっとボルテージの上がった瞬間。
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二つ目の急斜面が昨日苦労した部分。昨日は中央に飛び出した岩の上部に出てしまったが、ルートは岩の下部で左に巻くことができる。夏ならどうってことの無いポイント。
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第二のピークに向かう須原尾根。昨日よりは明るく風も弱いが、上空には雪が舞っているのが見えます?
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吹きっさらしの尾根上には小さい雪庇が形成されつつある。これがクラストしてくるとぐんと歩きやすくなるのだろうが、新雪期の今はズボズボ沈むだけ。
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11:20 / 1695m 名倉ノオキ近辺。風が弱まり、一瞬陽が射して青空が覗いてくれた。それまでの暗く沈んだモノトーンの世界が、一瞬で白銀の世界に息を吹き返す。お隣の手小屋沢尾根も。ついてない時にはこうした凪のような穏やかさも荒天の予兆と思うべきか。急ごう。
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11:50 下降点に近づくにつれ、また空はやや暗くなり、雪がちらつき始める。登りでは把握できた地形も、下降では非常に分かりにくく、写真のように尾根を見下ろしてもだだっぴろく見えるだけで傾斜方向を感じ取り難い。下降方向を間違えて雪の深い沢に迷い込むと悲惨なので慎重にルートを探る。トレースは尾根の斜面でも吹雪で消されていて、曇りでコントラストの低い雪面ではトレースの微妙な跡も見え難いが、幸いやや明るくなったので滑るように降りていく。
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12:25 下りは僅か35分。条件が良くなればこんなもの^^;
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ほぼ安全圏に逃げ込めたのでほっと一息。今回は800ccのテルモスを二人分用として持ってきた。熱いコーヒーやお茶と一緒に口に含んだブドウ糖を溶かしながら飲むと短時間で効率良く行動用エネルギーを充填できる。沢筋のトレースも雪を被っている。
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沢筋ルートには所々こんなトラップがあるのでご注意。
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途中、突然木の根元から雉(たぶん)が飛び出してきたり、小動物が這い出してきた跡があったり。。。
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14:05 / 1030m 途中、大幽洞窟分岐にはワカンの踏み跡、登山口に着く頃にはまた雪がしんしんと降り始めました^^;
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この日が1/3、翌日4~5日にかけて藤原地区では約1mの積雪を記録しました。トラブルからの早期撤退を決めたものの、結果から考えるとドカ雪の中下山と言う余計な苦労(危険)を回避できたのは幸いであった。
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帰りには1500円の入浴料とちょっと値段は高いが、歴史ある宝川温泉に立ち寄ってきました。曰く、日本一の大露天風呂(470畳分の広さ)、で混浴というのが特徴^^)大正、昭和初期の温泉建築は風情もあり、とくに雪降る中の露天混浴は一度は訪れる価値ありです。
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初日はこちら。
http://79476925.at.webry.info/201201/article_2.html
2011/12 武尊山完全敗退編はこちら。
http://79476925.at.webry.info/201112/article_15.html
2008/10 錦に包まれた武尊山はこちら。
http://79476925.at.webry.info/200901/article_1.html

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この記事へのコメント

2012年01月07日 10:37
ドキドキしながら読ませていただきました。
私はよくわかりませんが、やはりマットが壊れてしまうということはそれほど危険なことなのですね。

 保育園の頃から-30度の地吹雪の中を歩かれていたというのにも驚き、今回の雪山を奥様も一緒に登られていることにも再度驚き、1500円の入浴料にも驚きました。きっとあの雪山から下山された後の温泉はその値段以上の価値があったことと思います。
 とにもかくにも、ご無事にご帰宅されたことが何よりでした。お疲れさまでした。


特に上から11枚目の青空バックの写真が美しいです!
2012年01月07日 15:56
KURIさん、ありがとうござまいす。マイナス10度以下の雪山ではマット無しで寝るのはちょっと辛いですね。寝れないと翌日の行動は不可能ですし。。宝川温泉には大きな混浴露天が三つ、婦人専用が一つあって風情のある温泉地です。ただ1500円は高いですね。値段聞いてちょっとたじろぎました^^;
2012年01月09日 16:43
マットアクシデントは雪山では致命的になりかねないでしょうね。
下山後のドカ雪という悪天候を考えると
撤退下山して正解でしたね~
それにしても宝川温泉は1500円もするのですか。
一度訪れてみたいと思っていましたが躊躇しちゃいますね。
2012年01月09日 19:49
mikkoさん、こんばんは。山頂に思いは残っておりますが、下山は正解でしたね^^;宝川温泉は子宝の湯などもあったような。我が家には無用ですけど(笑)
2012年01月10日 22:46
 エアマットトラブル!大事に至らず何よりでした。このくらいの雪山となると途中で引き返しても充分に山を楽しめますね。的確な判断で、後日の大量積雪で進退窮まる危険もありましたしね。
 当方のエアマットもサーマレスト(ウン十年前のものロング)数回修理(見た目パッチペッタン)して二つ折りで使っております。相方の比較的新しいプロモンテもありますが、これも空気栓付近から空気漏れ中、予備のウェアを下敷きに権現岳を凌いでいました(笑)。
 宝川温泉も数十年日帰りの入浴料は据え置きのようですね、子熊と一緒に温泉へ入るイベント、今もやっているかな?。
2012年01月11日 12:41
テントミータカさん、こんにちは。エアーを入れる構造上こうしたトラブルは不可避なのでしょうね。モンベルもパッチはったりして使っていましたがこれで引退です^^:サーマレストは長く使えてるんですね、さすが値段が高いだけのことはあるな~。宝川温泉は数十年前から1500円ですか?!小熊は檻に入ってましたが、もう混浴イベント?はやっていないようでした^^;
2012年01月13日 21:11
こんばんは
アクシデントはあったものの、これが夜寝ている時でなくて良かったですね。
真冬に北方は、秋田市までしか行った事がありませんが、地吹雪と寒さには驚かされましたが、これがもっと北上した北海道育ちのハンスさんですから、ちょっとの寒さや地吹雪じゃビクともしませんね(笑)
2012年01月13日 22:14
リッキーさん、こんばんは。おっしゃる通りついてました。北海道も道東は自動車会社の寒冷地テストコースがある位の極寒地です。ただ平地に雪はそれほど降らない(融けないので積もっていきますけど)ので、北陸の雪の量は驚異以外のなにものでもありません。ちなみに気合が入っていないときは寒いのは大の苦手です^^)

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